診療科・部門

部門

病理部

病理部について

病理部という言葉自体あまり聞き慣れないかもしれません。簡単に言うと患者様から提出された材料を幾つかの工程を経て標本化し、病理医、細胞検査士により顕微鏡で細胞レベルにて判断し、病態(良悪性)、病気の種類(炎症、腫瘍など)を判定する部署です。
今、医療の現場では大変な医師不足に陥っています。中でも病理医不足は深刻で、多くの施設で常勤病理医を確保できていないのが現状で、検査は外部委託という形で行なわれています。常勤病理医がいることにより、臨床医との連携が密になり最終病理診断に至る全ての経過が一層明瞭になり、精度の高い最終診断の提供につながると考えます。
当院は平成17年より常勤病理医就任に伴い、結果報告の迅速性、正確性に努めています。また、平成20年に厚労省による病理診断科の標榜が認可されたことに伴い、地域の中核病院、地域支援病院を目指す当院として平成21年4月より病理部が新設され、患者様の早い治療につながるための部として新たなスタートをきりました。
少しは、病理部を理解して頂いたでしょうか。

特色

当院常勤病理医は名古屋大学病院病理部、大阪医科大学病院病理部等の症例豊富な施設で永年経験を積み、特に婦人科病理を中心として研鑽に励んできました。また、(社)日本病理学会が公認した病理指導医が在籍する名大病院病理部を含む複数の医療施設と随時症例検討会を開催し、診断精度を管理しその向上に努めています。
臨床医の需要によって、病理診断および細胞診断の標本の種類や量も決まりますが、当院では特に甲状腺疾患の比率が高いという特徴があります。
尚、当院病理部は日本病理学会研修登録施設と日本臨床細胞学会施設認定を取得しています。

診療内容

病理組織診断

内視鏡検査などで採取された1mmに満たない微小な組織から、手術により摘出された大きな臓器に至るまで、全身どこの組織でも顕微鏡的に詳しく調べ診断します。
この病理診断がその後の治療法を選択する上で、非常に重要な位置を占めます。
また病気の確定診断をする上で、病理組織診断は重要です。

術中迅速病理診断

手術中において、病変部の良悪性の判定、切除範囲の決定など、術式を決定するために重要な検査です。手術室から運ばれてきた組織片から標本を作製し、顕微鏡的に診断、報告まで15分~20分程度で行なっています。

細胞診検査

病理組織診断とは違い、喀痰や尿、さらに注射器等で穿刺吸引した細胞を用いて、顕微鏡的に診断します。
病理組織診断と比べて患者様の負担が少なく、結果報告までの時間が短いというメリットがあります。
採取される細胞の量は病理組織診断と比べて少量なので、当院では細胞検査士が直接検体採取の場に赴き、適切な標本作製を行なっています。

病理解剖

病理解剖は病理部の重要な業務の一つであり、不幸にして治療の甲斐なく亡くなられた患者様のご遺族に病理解剖をお願いすることがあります。貴重なご遺体を提供していただいたことにより、この病理解剖を行ない、直接の死因となった病変、病変の広がり、治療効果の程度を明らかにすることで、明日への医療の発展の礎とさせていただきます。
病理解剖は当然ですが、病理診断、細胞診診断においても、随時、必要に応じて臨床医と検討会を行ない、連携を密にし患者様の最良の治療に向けて邁進しています。

スタッフ紹介

明石 高明 氏名 明石 高明(あかし こうめい)
役職 病理部長
資格 日本病理学会認定病理専門医
日本病理学会病理専門医研修指導医
日本臨床検査医学会認定臨床検査専門医
日本臨床検査医学会認定臨床検査管理医
厚生労働省認定死体解剖認定医
メッセージ
氏名 島 寛人(しま ひろと)
役職 非常勤医師
資格 日本臨床細胞学会認定専門医
日本病理学会認定病理医
メッセージ

その他スタッフ

  • 臨床検査技師:3名(細胞検査士:2名)
  • パート臨床検査技師:1名

実績

病理組織診断 約3,500件/年
術中迅速組織診断 約100件/年
細胞診断 約4,500件/年
病理解剖 約5例/年

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