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食事の種類

胃・十二指腸潰瘍食について

胃・十二指腸潰瘍は消化性潰瘍ともいい、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を消化して傷つけてしまう病気です。原因としてストレス、薬剤の副作用に加えヘリコバクター・ピロリ菌が関与していることが知られています。

この食事は主に胃・十二指腸の粘膜が障害された患者様に対して胃の粘膜を刺激する食品や胃酸分泌を高める食品を控え、消化を良くするために脂肪・食物繊維の少ない食品を使用しています。また栄養状態の悪化を防ぎ、潰瘍を早く治すためにもバランスのよい食事をお出ししています。

胃に負担をかけない食品例

胃の粘膜を刺激する食品・胃酸分泌を高める食品(一例)
香辛料 唐辛子、からし、わさび、カレー
酸味の強いもの レモン、酢、梅干
香味野菜 にんにく、にら、しそ
カフェインを多く含む飲み物 コーヒー、紅茶、抹茶、ココア
炭酸飲料 全て
アルコール 全て
熱すぎるもの 70℃以上の熱いもの
冷たすぎるもの 10℃以下の冷たいもの
味の濃いもの 漬物、ぜんざい、チョコレート

消化に良い食品・注意したい食品(一例)

消化の良い食品 注意したい食品
穀類 白飯、粥、うどん 玄米、ラーメン、茸ごはん
果物 バナナ、りんご、缶詰 柿、アボカド、ドライフルーツ
魚介類 白身魚、白はんぺん たこ、イカ、鰻、鯖、塩辛、干物
肉類 鶏肉、脂の少ない赤身肉 ばら肉、ベーコン、鶏皮
半熟卵、茶碗蒸し 固ゆで卵、生卵
豆類 豆腐、高野豆腐、豆乳 油揚げ、厚揚げ、がんもどき
乳製品 牛乳、ヨーグルト、チーズ 生クリーム
野菜 ほうれん草、じゃがいも、人参 ゴボウ、筍、セロリ、茸、海藻
油脂 サラダ油、マヨネーズ、バター ラード、フライ、天ぷら

注意したい食品は少量食べるのであれば構いませんが、たくさん食べると胃に負担がかかります。その他気をつけるポイントとしては、薄味にすること、ゆっくりとよく噛んで食べ腹八分目とすることや、1日3食規則正しい食事時間を守ることが大切です。

胃・十二指腸潰瘍食の献立例

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  • ごはん
  • 鶏肉のデミグラスソースソテー
  • じゃが芋とまぐろフレークの煮付
  • さやいんげんとカニカマのサラダ
  • デザート(杏仁豆腐とみかん缶)

献立のトータル栄養価(1人分:ごはん普通盛の場合)

エネルギー(kcal) 662 たんぱく質(g) 24.1
食塩相当量(g) 1.8 脂質(g) 10.7
食物繊維(g) 4.9 炭水化物(g) 114.0
鶏肉のデミグラスソースかけ

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通常では牛肉を使うことが多いですが、鶏肉に替えることで脂質が減り、胃腸への負担を軽くすることが出来ます。今回使用した鶏もも肉は、皮と余分な脂肪を取り除くことで、脂質を1/3程度に減らすことが出来ます。

材料(2人分)
  • 鶏もも肉・・・・・・・・120g
  • 玉ねぎ・・・・・・・・・140g
  • にんじん・・・・・・・・40g
  • グリーンピース・・・・・・6g
  • サラダ油・・・・・・・・小さじ1
  • 無塩バター・・・・・・小さじ1
  • デミグラスソース・・大さじ2と1/3
  • コンソメ顆粒・・・・小さじ2/3
作り方
  1. 玉葱は1cm幅のくし切りに、人参は厚さ3mmの半月切りにします。
  2. 鶏肉は一口大に切ります。
  3. フライパンにサラダ油とバターを入れて玉葱と人参を炒め、玉葱が透き通ってきたら鶏肉を加え、炒めます。
  4. 鶏肉に火が通ったら、コンソメ顆粒、デミグラスソースを入れ、軽く炒めて出来上がりです。
一口メモ
  • 玉葱と人参は、炒め過ぎないように注意します。(きつね色程度に)
  • デミグラスソースを入れる時は、火を一旦止めてから入れるとソースが焦げにくくなります。
  • 盛り付ける際に、下茹でしたグリンピースを散らすと彩りが良くなります。

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