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白内障

白内障とは

白内障とは水晶体(カメラで例えるとレンズ部分)が濁り、網膜(カメラで例えるとフィルム部分)に光が届きづらくなるため、物がかすんで見えるようになる病気です。

正常な目と白内障の眼の違い

白内障の症状

特に痛みはなく、メガネやコンタクトレンズを使用しても視力が回復することはありません。

  • 視力低下
  • 眼がかすむ(靄がかかった感じがする)
  • 物がダブって見える
  • 光がまぶしい
  • 視界が暗く感じる
白内障の原因
  • 加齢(9割の患者さんは加齢が原因です)
  • アトピー性皮膚炎、糖尿病、ダウン症候群等の疾患との併発
  • 外傷によるもの
  • 薬の副作用
  • 放射線や紫外線によるもの
  • 先天性(母親が妊娠中に風疹に罹患した場合等)
白内障の治療

白内障の治療には薬物治療(点眼)と手術治療があります。
症状が軽度の場合は点眼による治療を行う場合もありますが、手術治療が一般的です。日常生活に支障を来すようになったら(運転免許の更新など)手術を考える事をお勧めします。

手術を受けるまでの流れ
  1. 初診:現在の眼の状態を診断し手術日を決め、眼科検査に加え手術に向けての全身検査も行います。
  2. 白内障手術説明会:白内障手術の流れと手術前後の生活や注意点について説明します。その後レンズの種類やピントを合わせる距離など、診察にて最終決定を行います。
  3. 入院・手術・退院
  4. 術後診察:退院後はお近くの眼科に通院可能ですが、術後3か月検診は当院を受診してください。

眼内レンズの選択

手術の際に眼内に挿入する眼内レンズは、さまざまな種類があり患者さんのライフスタイルに合わせて選択していただきます。

単焦点眼内レンズ

ピントの合う距離が1点です。それ以外の距離にはピントが合わないため、眼鏡が必要になります。例えば遠くにピントを合わせた場合、近くのものを見るときには眼鏡が必要になります。さらに単焦点眼内レンズの中には、乱視矯正が可能な「トーリック眼内レンズ」があります。乱視の強い方はトーリック眼内レンズを挿入することで、術後は乱視が軽減されます。

ピントを遠くに合わせた場合

ピントを近くに合わせた場合

多焦点眼内レンズ

ピントの合う距離が2点(2重焦点レンズ)と3点(3重焦点レンズ)のものがあります。そのため眼鏡の使用頻度を減らすことができます。

2重焦点眼内レンズ

遠くと近く(約30cm、40cm、50cmのいずれか1つ)にピントが合います。2重焦点眼内レンズに係る費用は選定療養(全額自己負担)となり、別途入院費用・手術費用(保険適用)がかかります。先進医療に認定されていますので、手術費用以外は保険適応となり入院も可能です。

3重焦点眼内レンズ

遠くと中間(約60cm)と近く(約30cm)にピントが合い、より幅広い距離に対応しています。3重焦点眼内レンズに係る費用は選定療養(全額自己負担)となり、別途入院費用・手術費用(保険適用)がかかります。すべてが自費診療なので、原則日帰り手術となります。

各レンズの見え方のイメージ

単焦点眼内レンズ(遠方にピントを合わせた場合)の見え方

単焦点眼内レンズ(遠方にピントを合わせた場合)

2重焦点眼内レンズの見え方

2重焦点眼内レンズ

3重焦点眼内レンズの見え方

3重焦点眼内レンズ

白内障手術前の眼科検査

手術前には、白内障手術時に使用する眼内レンズ選択のための検査をはじめ、白内障以外に異常が無いかを一通り検査します。視力検査や眼圧検査以外に複数の検査を行いますので一部ご紹介します。

眼底検査

網膜や視神経、眼の奥の血管の状態を検査します。その際に散瞳剤(瞳孔を大きく広げる点眼剤)を使用して、より詳しく調べます。
なお、散瞳剤の効果は個人差はありますが5~6時間持続するので、車やバイクの運転は事故につながる恐れがあるため、検査日は運転を控えてください。

眼底検査

眼軸長測定

眼軸長とは、角膜から網膜までの長さのことで一人一人違います。手術時に混濁した水晶体のかわりに入れる眼内レンズの度数を決めるために行います。
当院では測定原理の異なる、超音波眼軸長測定装置と光学式眼軸長測定装置を使用し、より精度の高い検査を目指しています。

眼軸長測定

角膜形状解析

角膜形状解析装置を使用し、角膜の屈折や形状を詳しく調べます。
わずかな歪みも計測でき、角膜が円錐状に突出する円錐角膜や形状がいびつになって起こる角膜乱視の状態なども検査できます。

眼軸長測定

白内障手術

手術時間は10~30分程度で、痛みはほとんどありません。
また、小さな切開で手術を行うため、傷口を縫う必要も眼帯をする必要もありません。

白内障手術1 目薬の麻酔をします
①目薬の麻酔をします。

白内障手術2 角膜に3mmと1mm程度の切開をします
②眼内に器具を入れるため、角膜に3mmと1mm程度の切開をします。

白内障手術3 水晶体の前の部分を円形に切り取ります
③水晶体の前の部分を円形に切り取ります。

白内障手術4 濁った水晶体を超音波で砕き取り除きます
④濁った水晶体を超音波で砕き取り除きます。

白内障手術5 眼内レンズを挿入します
⑤眼内レンズを挿入します。

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