甲状腺とその病気
甲状腺機能低下症
日本甲状腺学会 診断ガイドライン2013
【原発性甲状腺機能低下症】
a)臨床所見
- 無気力
- 易疲労感
- 眼瞼浮腫
- 寒がり
- 体重増加
- 動作緩慢
- 嗜眠
- 記憶力低下
- 便秘
- 嗄声
等いずれかの症状
b)検査所見
- フリーT4低値およびTSH高値
- 原発性甲状腺機能低下症
a)およびb)を有するもの
付記
- 慢性甲状腺炎(橋本病)が原因の場合、抗マイクロゾーム(またはTPO)抗体または抗サイログロブリン抗体陽性となる。
- 阻害型抗TSH受容体抗体により本症が発生することがある。
- コレステロール高値、クレアチンフォスフォキナーゼ高値を示すことが多い。
- 出産後やヨード摂取過多などの場合は一過性甲状腺機能低下症の可能性が高い。
【中枢性甲状腺機能低下症】
a)臨床所見
- 無気力
- 易疲労感
- 眼瞼浮腫
- 寒がり
- 体重増加
- 動作緩慢
- 嗜眠
- 記憶力低下
- 便秘
- 嗄声
等いずれかの症状
b)検査所見
- フリーT4低値でTSHが低値〜正常
- 中枢性甲状腺機能低下症
a)およびb)を有するもの
除外規定
甲状腺中毒症の回復期、重症疾患合併例、TSHを低下させる薬剤の服用例を除く。
付記
- 視床下部性甲状腺機能低下症の一部ではTSH値が10μU/ml位まで逆に高値を示すことがある。
- 中枢性甲状腺機能低下症の診断では下垂体ホルモン分泌刺激試験が必要なので、専門医への紹介が望ましい。