栄養課
食事の種類
エネルギーコントロール食について
主に生活習慣病などでエネルギー量のコントロールが治療上必要な患者様に提供されるお食事です。身長・体重・年齢・性別・活動量などから適正なエネルギー量を個別に算出しており、3大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質)のバランスがとれています。エネルギーを抑えてもおいしく食べられるよう食材や調理方法を工夫するとともに、糖類を多く含むデザート類等を提供しない献立になります。
エネルギーコントロールのポイント
食物繊維の豊富な食材を使用する
食物繊維が豊富な食材に野菜・海藻・きのこ・こんにゃくがありますが、これらの食材は低カロリーであるため、多く使用しても問題ありません。積極的に摂取することにより満腹感を得る事ができます。また、食物繊維の作用により炭水化物の吸収を遅らせ急激な血糖値の上昇を抑えてくれます。
油控えめな調理方法にする
炭水化物・たんぱく質は1gで4kcalであるのに対し、油は1gで9kcalあり、少量でも高エネルギーとなります。そのため、過剰なエネルギー摂取を避けるためにも油の使用量を控える必要があります。
炒め物・揚げ物は油を多く使用するため頻度を減らし、煮物・蒸し物・焼き物にし、油の使用量を少なくします。揚げ物は衣が多いほどよく油を吸収するため、衣は薄くつけるようにします。
また、揚げる方法ではなく、パン粉焼きのような調理法を選択すると、油の使用量を少なくすることができます。
肉は使用する部位、魚は使用する種類を選択する
肉は部位によって脂質の量が異なるため、脂身の少ない部位を選択するとエネルギーを抑えることができ、魚は種類によって脂質の量が異なるため、食べる量を調節するとエネルギーを抑えることができます。
エネルギーコントロール食の献立例
- ごはん(100g)
- 白身魚の菜種焼き
- じゃがいものそぼろ煮
- もやしとホタテのサラダ
- 煮豆
献立のトータル栄養価(1人分:ごはん100gの場合)
エネルギー(kcal) | 453 | たんぱく質(g) | 23.1 |
---|---|---|---|
食塩相当量(g) | 1.9 | 脂質(g) | 10.7 |
食物繊維(g) | 5.5 | 炭水化物(g) | 64 |
白身魚の菜種焼き
マヨネーズには油や卵などのうま味があるため、淡白な白身魚でも満足感が得られる調理法です。
材料(2人分)
- 白身魚・・・60g×2切れ
- にんじん・・・40g(シャトー切り)
- 薄口醤油・・・2g
A.
- 料理酒・・・6g
- 塩・・・0.4g
B.
- 菜の花・・・14g(ざく切り)
- 卵・・・14g
- マヨネーズ・・・12g
- 塩・・・0.4g
作り方
- 白身魚にAの料理酒と塩を振り、10分置く。
- Bの菜の花は茹でてみじん切りにし、卵も茹でてみじん切りにする。
- 2の菜の花、卵をBのマヨネーズ、塩とよく混ぜる。
- 白身魚の水分をふき、フライパンまたは魚焼きグリルで焼く。
- オーブントースターの受け皿にアルミホイルを敷き、焼いた白身魚を置いて3を均等にのせる。
- 予熱したオーブントースターに入れ、かるく焦げ目がつくまで焼く。
- 人参はやわらかくなるまで茹で、水気を切って醤油で和える。
一口メモ
- たら以外にも、鯛やカレイなど淡白な魚におすすめです。
- マヨネーズは塩分含有量が少ないため、煮魚などに比べ少ない塩分で済みます。
★エネルギーコントロールのポイント
※可食部100g当たりのエネルギー量
種類 | 部位 | エネルギー(kcal) | |
---|---|---|---|
牛 | 肩ロース(脂身つき) | 411 | |
ヒレ(赤肉) | 223 | ||
豚 | 肩ロース(脂身つき) | 253 | 大型種肉 |
ヒレ(赤肉) | 130 | ||
鶏 | 若鶏 むね (皮付き) | 145 | |
若鶏 むね (皮なし) | 116 | ||
若鶏 むね ささみ | 105 | ||
青魚 | さんま | 297 | 皮付き生 |
さば | 247 | まさば生 | |
白身魚 | かじき | 153 | めかじき生 |
かれい | 95 | まがれい生 | |
たら | 77 | まだら生 |
※日本食品成分表2015年版(七訂)