岐阜赤十字病院
卒後臨床研修医

先輩研修医の軌跡

TOPICS

第1話 互助会主催の旅行に参加して ≪1年次研修医≫

当院が平成23年12月10日(土)に実施し院内災害対策訓練に臨床研修医の3人の先生が参加しました。
その日の朝9時15分に東側駐車場に参加者が集まり病院長の開会挨拶から始まりました。3人の研修医のうち水野先生と澤木先生は当直医のため、少し遅れて参加し開会の場に出ることが出来ませんでしたが、松本先生の表情は少々緊張気味で真剣そのものでした。
今回の訓練は参加する職員には日程と持ち場のみを知らせるだけで、マニュアルや想定などは説明されず実施しました。
発災の放送がかかりいよいよ訓練が始まりました。3人は立ち上げられた現場本部へと向かい、まずは登院登録書に必要事項を記入し各個人の担当エリアを確認した後持ち場へと直行しました。
松本先生は重症(赤)エリア、水野先生は中症(黄)エリア、澤木先生はトリアージエリアの担当です。
各現場では集まってきた職員がまず処置や治療が行える体制を整えるために準備をし、その後ブリーフィングが行われました。
次々と救急車で運ばれたり直接来院された患者さんが来て、現場は本番さながらの状態になり、その中で3人の研修医の先生方は自分のやるべき役割を精一杯行っていました。
訓練終了後に3人の先生に今回参加されたことについてコメントを頂きました。以下に記します。

トリアージエリア担当の澤木先生のコメント

訓練に参加する前は普通の避難訓練程度のものをイメージしていたが、実際には自分が治療や救命に関わり、自分も医療をする立場になったんだと実感しました。
私はトリアージエリアを担当したが、トリアージは患者さんを各エリアに分担するのが仕事なので、つらい症状を訴えている患者さんに直接治療をする事ができず理解をしてもらうのが難しく感じました。
次から次へと患者さんが来院して、受付をしてもスタッフの数が足りなく、トリアージがすぐには出来ないこともあり、実際の災害時では患者さんに待ってもらえる時間はもっと限られているのでその状況について課題も残りました。
医師として災害訓練に参加したのは初めてなので他のスタッフに教えてもらいながら行ったがとても勉強になった。実際に災害が起きた時には対応がしやすくなるのでとても良かったと思いました。

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重症(赤)エリア担当の松本先生のコメント

学生時代に災害訓練に参加したことはあるがその時は先生について見ているだけで実際には何も行わなかったが、今回は医師として初めて参加して実際に診療や治療を行いました。
自分は重症班の担当だったが、とっさの判断などを要求されいざという時にどうしたら良いかわからないことが多く知識と技術の未熟さを感じました。
今回参加したことで自分にとって足りない部分やどう動けば良いのかをイメージする事ができとても良かったと思う。
このような訓練を経験すると実際に災害が起こった時にスタッフがあわてることなくズムーズに動くことが出来ることになり、助かる命の数が多くなると思います。ぜひまた参加したいと思います。

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中症(黄)エリア担当の水野先生のコメント

初めて災害対策訓練に参加して不慣れな分戸惑いが多くありました。
自分は中症エリアを担当していたが、中症エリアには重症でも軽症でもどちらでもない患者さんが運ばれてきていろいろな判断が難しく感じました。
また、酸素投与・点滴・処置に使用するガーゼなどの物品をどんどん使用しても良いのか悩み、実際の災害時の際は限られるであろう診療材料品目の使用などのペース配分などがうまく出来なかったと思います。
次から次へと患者さんが運ばれエリア内が飽和状態になった時には、スタッフの絶対数が足りず処置をすぐに行えない患者さんもいた。システムがうまく機能せず、受け入れ態勢が整っていないなどの課題も見えました。
今回の訓練の参加よって、現場の雰囲気が感じられイメージすることが出来たし、問題点も浮き彫りになったのでとても自分に有意義になった訓練でした。

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