岐阜赤十字病院
なぜ?なに?甲状腺

甲状腺の手術

内視鏡による甲状腺手術

当院甲状腺外科では頸部に切開創のない、以下の内視鏡による甲状腺手術を施行しています。

  • 内視鏡補助下甲状腺手術(VANS法)
  • 完全鏡視下甲状腺手術

内視鏡による甲状腺手術とは

バセドウ病などの甲状腺疾患に対する手術は、一般的には頸部(首)に10~15cm程度の皮膚切開をして行います。手術後は比較的早く症状が落ち着いて安定した状態となりますが、女性の罹患率が高いこともあり人目に付きやすい首に手術の痕が残ることは整容面で問題となることがありました。また、嚥下時の違和感や嗄れ声など合併症が発生する場合もあります。
当院甲状腺外科では、甲状腺腫瘍及び甲状腺機能亢進症に対して内視鏡を使用した手術「内視鏡補助下甲状腺手術」及び「完全内視鏡下甲状腺手術」を導入しています。この手術は、若年女性で甲状腺腫が大きくないもの(4cm程度まで)に適しており、開襟衣類の隠れる位置に小さい傷ができる程度の手術です。疾患の種類、大きさ、また患者様の希望を考慮しそれぞれの術式を選択しています。術後約1か月で違和感や疼痛もとれ約3か月後には手術の影響はほとんどなく創も目立たなくなります。 適応する甲状腺疾患でお悩みの方は診察が必要となりますので、当院内科外来へご相談ください。

適応

甲状腺腫瘍
  • 良性:4cm程度の大きさまで
  • 悪性:比較的に小さくリンパ節転移の無いもの
甲状腺機能亢進症
  • 40g程度の大きさまで

皮膚切開位置

内視鏡補助下甲状腺手術(VANS法)

内視鏡補助下甲状腺手術の皮膚切開位置

鎖骨の下側に3cm程度、首には5mm の皮膚切開を行います。鎖骨下の切開創から内視鏡器具を入れ首の切開創から皮膚を器機で持ち上げ、手術します。

症例紹介
症例 内視鏡補助下甲状腺手術(VANS法)
年代 40代
性別 女性
治療内容 全身麻酔下に鎖骨の下側を3~4㎝切開し、内視鏡補助下に甲状腺を摘出します。
当院では4㎝程度までの良性腫瘍や比較的小さくリンパ節転移の無い悪性腫瘍、甲状腺機能亢進症(推定重量40g程度まで)を適応としています。
入院期間 1週間程度
手術回数 1回
費用 診療保険点数に依る
リスク・副作用 術後出血、反回神経麻痺等リスクは通常行う頚部切開と同等といわれています。皮下を剥離する際に超音波凝固切開装置を用いるため、皮膚・皮下の熱傷の危険があります。
完全鏡視下甲状腺手術

完全鏡視下甲状腺手術の皮膚切開位置

1cm程度の皮膚切開を3か所行い(右図赤線)、内視鏡器具をそこから挿入し手術します。内視鏡による拡大視により、安全に甲状腺腫瘍等を取り出すことができます。

手術紹介
症例 完全内視鏡甲状腺手術
治療内容 図の様に3か所の皮膚切開により内視鏡器具を挿入して完全内視鏡下に甲状腺を摘出します。
当院では4㎝程度までの良性腫瘍、甲状腺機能亢進症(推定重量40g程度まで)を適応としています。
入院期間 1週間程度
手術回数 1回
費用 診療保険点数に依る
リスク・副作用 術後出血、反回神経麻痺等リスクは通常行う頚部切開と同等といわれています。皮下を剥離する際に超音波凝固切開装置を用いるため、皮膚・皮下の熱傷の危険があります。

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